ペッパーと一緒にお芝居してみた

どーも。演劇集団紅茶組の松岡です。主に、役者とか制作やったりしてます。

今回は、Pepperを使った演劇「フタツメノペッパー」の開発秘話とか、制作秘話とか書いてこうと思います。

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▼目次

  1. 「フタツメノペッパー」あらすじ
  2. なんでPepper演劇をやろうとしたのか?
  3. Pepperのレンタル問題その1
  4. Pepperのレンタル問題その2
  5. Pepperの開発&オペレーターは誰だ?

■「フタツメノペッパー」あらすじ

落語家一門の「紅茶亭」にPepperが入門してきた話。
前座の仕事を教えても、お茶出しも何もできなくて、使えない!なのに誰よりも早く昇進しちゃう・・・?
「5人以上の従業員を有する法人は、ロボットを一体以上雇うこと」という法律が発布され、無下にもできず、さあ一体どうする?紅茶亭?!
人工知能に人間の仕事が奪われるかもと言われる世の中で、人工知能から最も遠い落語という世界で起こる騒動。舞台にはあのPepperが登場!本当に何をしゃべるかわかりません!
さあどうなる紅茶亭一門、さあどうなる紅茶組!
つねにハラハラドキドキの舞台の上で、まだ誰も見たことのない物語が現れる…はず!

 

■なんでPepper演劇をやろうとしたのか?

よく言われるのが「なんでPepperと共演?」ってことです。
発案者は代表の中村なのですが、彼曰く「人間の仕事(しかも、AIから一番遠いと思われる”表現”の仕事)がAIにとって代わられたら?」というのがきっかけです。
で、それを温めていたら、Pepperが発売されてロボットが身近になったので、「やってみよう」ということになりました。

私たちが描きたかった物語は、「人間とロボットとのコミュニケーション」です。
なので、Pepperと人間の共演する部分で、Pepperが台詞の発するタイミングなどは、オペレーターの操作など一切ありません。共演相手のセリフを聞いて、反応する。という人間の役者がやることと同じことを、Pepperもしています。

世にはたくさんのロボットが生まれていますが、「人とコミュニケーションが取れる」ロボットとしては、Pepperが良いのでは?という結論になり、「フタツメノペッパー」が生まれたわけです。

 

■Pepperのレンタル問題その1

Pepperと共演する、って言ったって、Pepperがないことには始まらないので、まずは誰から借りるのか?が問題でした。

で、悩んでる時にちょうど参加した飲み会で、知り合いの知り合いがPepper持ってるけど使ってないらしく、なんか3分後に借りられることになっていました(笑)
(有限会社スクラッチソフト様!どうもありがとうございます!http://www.scratchsoft.co.jp/index.html
繋いでくれた、株式会社Misocaマツモト様!ありがとうございます。お二方には足を向けて寝られません!)
これには、劇団員も驚いていて、今回も中村の与太話で終わるぞって思っていたら、「Pepper借りられた!」つーんだから、みんなのテンションがちょっとあがったよ。

■Pepperのレンタル問題その2

でも、稽古をしてて気がついたことがありました。
Pepper一台では足りないんじゃないかな?

そう!Pepperってば超繊細!繊細すぎて、熱を持ちすぎたり動きすぎると、「体が熱くなってきました」と自己申告して、強制終了します。

もうね、一体なんの話だと。なるわけですよ。
Pepperが虚弱体質 繊細だなんて誰も予想してなかったですから。

当時開発を担当していた市川さんの予想をはるかに超えて、非常に短時間しか稼働しなかったわけです。
そこへ、本番は照明もある中でPepperを稼働させるわけですから、稽古以上に動けなくなるだろうというのが大方の予想でした。

みんなで頭を抱えて、一旦脚本会議を開きました。Pepperが出演する時間を減らすことができるか、もしくは細切れにして休ませることはできるか。
Pepperの出演時間を減らすことはできても、Pepperの落語のシーンは減らせない。そこはPepperというロボットと共演する意味が含まれているし、落語せんと何が落語家じゃああああ!!!

もう、どうすればいいのか、って思いながら、またあるPepper関連の人にお願いしたら、ソフトバンク株式会社様から公式に貸してもらえました。
ってえええええ!!!!!
そう、あのソフトバンク株式会社様です!
なんと稽古の見学にもいらっしゃいました!稽古

Pepperを持ってきてくださるときに見学にいらっしゃいました。(どうやら、Pepperの活用事例として社内会議に取り上げられるとか・・・)

はわわわわ~~~~!!!!!ほんとびっくりしたあああ!
(余談ですが、この日は名刺交換やPepperの活用など非常にビジネス臭が漂う稽古場でした)

■Pepperの開発&オペレーターは誰だ?

Pepperが二人そろったけど、オペレーターって誰がやる?という新しい問題が出ました。
Pepperが二人いても、オペレーター一人でいけるんじゃないの?って思う人がいるかもしれない。
けどね、それは間違ってる。
いいですか?Pepperが二人いると、PCは二台必要になります。そんでもろもろの大人のIT事情が絡み合い、なんだかんだでオペレーター一人じゃ無理なんだよ!
Pepperの開発だって、もう一人ほしい!(市川さん心の声)
血眼になって「誰かできる人!」って探したら、いたー!大垣でロボットコミュニティを運営している石郷さんが!
お願いしたら快くOKしてくれました。
ありがとうございます、石郷さん!
ほんと、いろいろお世話になってます!

 

そんなこんなで、いかがでしたか?
いかに紅茶組が行き当たりばったり新しいことに挑戦しているのか、分かっていただけたかと思います。

もしご興味があれば、詳しいお話もしますし、Pepper演劇をしたい方の力になれるかもしれません。
何かありましたら、theteas.gekidan@gmail.comまでご連絡ください。

(松岡)

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